マンションを借りるときに、駐車場があるかどうかというのが大事になるという人もいる。もっとも、駐車場を借りるということは、車がある人限定のために、東京都心では、あまり関係ないかもしれない。電車の方が交通の便がいいということから、車を運転しないという人も少なくはない。そういう考え方になることも納得できる。
電動スクーターに乗って、道を横断する高齢者に遭遇することが多い。足が弱ってきているので歩くのが苦痛で、電動スクーターを利用する人や自転車代りに電動スクーターを使う用途はさまざまだが、若い人より高齢者の方が電動スクーター使用率は高い気がする。余計なお世話だが転倒したり、事故を起こさないかなど心配をしてしまう。
◇「交通不便」「皆と一緒に」
東日本大震災の発生から11日で2カ月がたった。発生直後から福島県などから一時1万人を超す被災者が避難してきた県内では、現在も8319人(10日現在)が避難生活を送る。親類や知人宅に身を寄せたり、公営住宅などに入居する避難者は増えているが、いまも1000人以上が個室のない体育館などでの生活を余儀なくされている。【小林多美子、畠山哲郎、塚本恒】
三条市の総合福祉センターに避難している70代の男性は先月末、市内の雇用促進住宅を見学した。4階建てで間取りは3DK。空室の29部屋が避難者向けに提供される。
「部屋はきれいで良かった。でも、ここでは無理だ」。男性は入居を断念した。問題は車がないこと。市中心部にある避難所とは違い、周囲にスーパーがなく、車がなければ日常の買い物にも苦労しそうだ。近くに病院がないのも不安だ。所持金は乏しく、避難所にいれば食事代など最低限の支出に困ることはない。「避難所では雑音が気になって一晩中眠れないこともある。出たい気持ちはあるが、この住環境では移るのは難しい」と悩む。
一緒に見学した60代女性は「避難所で2カ月間一緒に暮らして、周りは家族のようなもの。皆と離れたくないと言う思いもある」と話す。こうした声に市は、住宅に交流スペースを設置し、避難所へのシャトルバス運行など避難者同士のつながりを切らないよう対応する予定だが、入居希望は今のところ16世帯と募集する29部屋の半分程度にとどまる。
県は4月上旬、体育館などにいる2000世帯を対象に、市町村を通じて公営住宅などへの移動希望調査を実施。この結果、45%の世帯が公営住宅や旅館など個室があって住環境の整った避難所への移動を希望した。
この調査をもとに避難者に移動を打診した結果、個室のない公共施設にいる避難者の割合は、4月15日の36・6%(3061人)から、5月10日までには13・2%(1099人)に減ったという。福島県の仮設住宅が7月中に完成する見通しから、県は福島県の仮設住宅に入居を希望する避難者に対しては入居が始まるまでの間、ホテルや公営住宅で過ごしてもらう意向だ。
一方、あえて集団生活を続ける避難者の思いも複雑だ。新潟市西区の西総合スポーツセンターに避難する60代女性は「避難所はここで3カ所目。(公営住宅などに)移りたい気持ちもないではないが、いつまたそこから移動するかも分からないので」と移動をためらう。
避難所にとどまることに決めた別の60代女性は「(福島に仮設住宅ができる見通しの)あと2、3カ月我慢すれば、という思いで生活している。でも本当に福島に帰れるだろうか。すべてが雲をつかむようで何も考えられない」と心情を吐露した。
◇班作り主体的運営−−妙高青少年自然の家
福島県南相馬市などからの避難者が身を寄せる妙高市関山の「国立妙高青少年自然の家」では、避難者が自主的に班制度をつくり、受け身になりがちな避難生活を主体的に運営している。
「皆でバーベキュー大会をやったらどうだろうか」。班長の1人が声を上げた。毎朝開く班長会議。各班長のほか、妙高、南相馬両市の職員らが集まる。連絡事項や1日の予定などを確認し合っている。
妙高市は3月中旬から、妙高高原メッセで避難者の受け入れを始めた。大部屋の集団生活を続けるうち、避難者の中から「ボランティア」と呼ばれるリーダーが現れ、班制度を提唱した。同月24日に、個室に分かれた自然の家に移っても、制度は引き継がれた。
自然の家に移動した際、最大175人だった避難者は現在61人。主に家族単位で1部屋が割り当てられ、計25部屋を使っている。各班のメンバーはトイレや廊下など共有部分の掃除を分担。班長は行政との窓口となり、班からの要望を上げたり、行政からの連絡事項を班員に伝える。
「ボランティア」も行政職員とミーティングルームに詰め、支援物資の分配などで活躍。ボランティアの1人、南相馬市鹿島区の西畑智さん(46)は「自分たちでできることは自分たちでやる。それが長い避難生活を送るコツ」と話す。「班制度のおかげで情報伝達がスムーズ」。避難所を運営する妙高市市民税務課の樗沢(ぶなざわ)茂課長補佐も班運営を評価している。【長谷川隆】
5月12日朝刊
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